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トラブルデータ

1. 事故発生率:4.14%(24人に1人)

事故発生率:4.14%(2018年度より0.44%増加) 事故に遭う確率:24人に1人(保険金請求件数/海外旅行保険加入者数)

海外旅行保険の事故発生率 注)事故発生率=当社への保険金請求件数÷当社保険加入者数

2019年度の海外旅行中の事故発生率は4.14%となりました。これは24人に1人が何らかの事故に遭っている計算です。

海外では、気候や衛生環境等が異なること、また長時間の移動や時差等により体調を崩しやすく、併せて犯罪率が日本と比較して全般的に高いことから事故に遭いやすい状況にあるといえます。
航空便の欠航や遅延時の食事代やホテル代等、旅行行程上の偶然な事故を補償する「旅行事故緊急費用」に代表されるように、海外旅行保険の役割が重大事故だけでなく、海外旅行中によく発生するトラブルに関する補償や従来対象外であった慢性疾患(持病)の治療費用等も所定の条件のもとで補償の対象とする等、補償の範囲も広がっている傾向にあります。

 

2. 補償項目別事故件数の状況(全地域)

1位:治療・救援費用(47.8%)2位:携行品損害(26.9%)3位:旅行事故緊急費用(20.4%)

海外旅行保険で最も事故件数が多い補償項目は「治療・救援費用」(事故発生割合47.8%、前年比+1.4)で、ケガや病気による治療費用、救急車等の交通費や医療通訳費、入院した際に家族が現地に駆けつける場合の渡航費用、日本や第三国までの医療搬送費用等を補償します。
次いで多いのが「携行品損害」(事故発生割合26.9%、前年比±0.0)であり、パスポート、スーツケースやカメラ、携帯電話等の手荷物の盗難や破損を補償します。
3番目は「旅行事故緊急費用」(事故発生割合20.4%、前年比△2.6%)であり、航空機の遅延や欠航、航空会社に預けた手荷物が現地に届かない等、予期せぬ偶然な事故により負担を余儀なくされた費用(交通費、宿泊費、食事代、身の回り品購入費等)を補償します。
上位3項目で、全体の95.1%に達しています。なお、この順位は、当社が「旅行事故緊急費用」を発売した2006年以降変動していません。海外旅行保険の最も重要な役割が、旅先でのケガや疾病の治療費等の身体に関わる補償であることは変わりませんが、手荷物の破損や航空機の遅延時等、様々なトラブルに対し海外旅行保険が利用されていることがわかります。

【補償項目別事故件数の状況(保険金請求件数ベース)】

注)記載の以下項目は( )内を含みます。
①治療・救援費用 (傷害治療費用、疾病治療費用、救援者費用、疾病応急治療・救援費用)
②携行品損害 (生活用動産)
③旅行事故緊急費用 (航空機遅延、航空機寄託手荷物遅延)
④個人賠償責任 (家族総合賠償責任)
注2)上記「旅行キャンセル・中断」とは「旅行キャンセル費用」、「旅行中断費用」を合わせた項目となっております。

3. 補償項目別事故件数の状況(地域別)

ヨーロッパ:「携行品損害」の事故が多い アジア・オセアニア:「治療・救援費用」の事故が多い

【補償項目別事故状況(保険金請求件数ベース)】 

地域別に補償項目別事故件数を集計した結果、前年度に引き続き、地域による特徴が顕著となりました。

ヨーロッパへの旅行の場合、便の乗り換えのため、荷物の積み替えがある場合が比較的多く、スーツケースの破損が相次いでいます。また、周囲に対する警戒心が乏しい傾向のある日本人は、外国の犯罪者の目には「容易な標的」としてスリ等に狙われやすいといわれています。このような理由から、盗難被害も多数発生し、「携行品損害」の割合が多くなっています。
アジアは、地域により衛生環境が良好とはいえず、気候も日本とは異なります。このため、腹痛・風邪等の病気が発生しやすく、「治療・救援費用」の割合が多くなっています。

4.高額医療事故TOP5(治療・救援費用保険金支払)

 シニア層(65歳以上)を中心とした高額事故が多く発生

2019年度は治療・救援費用保険金支払額1,000万円以上の高額医療費用事故が7件発生しております。
例えば、これがクレジットカードの保険のみ(ゴールドカードでも治療費用・救援費用ともに200~300万円程度)であった場合は、多額の自己負担が発生する可能性がありました。支払いが難しい場合は、必要な医療サービスの提供が受けられないことにつながり、命に関わる場合もあります。
海外旅行保険は、加入の有無だけでなく、加入しているプランの補償内容も重要だといえます。

【高額医療費用事故(治療・救援費用保険金支払)TOP5】

No 国(地域) 内容 年代 プラン 支払保険金
1 アメリカ 嘔吐後に倒れ意識不明となり救急車で搬送。くも膜下出血と診断され25日間入院・手術。家族が駆けつける。看護師が付き添いチャーター機で医療搬送。 シニア
(65歳以上)
無制限 4,661万円
2 アメリカ 頭痛のため受診、脳内出血と診断され18日間入院・手術。家族が駆けつける。医師が付き添い医療搬送。 その他
(64歳以下)
その他 3,506万円
3 グアム コーヒーショップで倒れ救急車で搬送。心筋梗塞と診断され19日間入院・手術。家族が駆けつける。医師・看護師が付き添い医療搬送。 シニア
(65歳以上)
無制限 2,100万円
4 ハワイ ハイキング後に胸の苦しみを訴え救急車で搬送。心筋梗塞と診断され14日間入院・手術。家族が駆けつける。看護師が付き添い医療搬送。(補償限度額超過) シニア
(65歳以上)
その他 1,500万円
5 ハワイ 現地到着後、まっすぐ歩くことができなくなり受診。脳梗塞と診断され6日間入院・手術。家族が駆けつける。 シニア
(65歳以上)
無制限 1,174万円

 

【参考】「治療・救援費用」の保険金額「無制限」選択割合

①全体:約4割

当社の海外旅行保険加入者のうち、約4割のお客様が「治療・救援費用」の保険金額「無制限」のプランを選択しています。

②インターネット・企業包括契約を除いた場合:約8割

インターネット契約や企業包括契約を除き旅行代理店等で海外旅行保険に加入したお客様に限ると、約8割のお客様が「治療・救援費用」の保険金額「無制限」のプランを選択しています。

海外の高額な医療費用に対応するため、余裕を持った保険金額が望ましいといえます。
事故に遭った後で(当該事故に対する)保険金額を増額することはできませんので、事前に海外旅行保険のプランをよく検討する必要があります。

 

5.高額医療事故件数推移 / シニア層(65歳以上)割合

円安等の影響で、高額医療事故が増加傾向
「治療・救援費用」の高額医療事故のうち、約半数がシニア層(65歳以上)

【高額医療事故件数推移】 

「治療・救援費用」の保険金支払いが300万円以上の高額医療費用事故の2019年度の発生件数は41件となりました。
「治療・救援費用」の大半は現地治療費や医療搬送費等となりますが、現地通貨(場合により米ドル)建てでの請求となるため円安が進むことで円ベースでの支払いが増加します。併せて全世界的に医療費が上昇傾向にあることも、その要因となっています。
高額医療費用事故を年代別でみると、シニア層(65歳以上)が約半数を占めています。アクティブなシニア層が増加しているといわれていますが、転倒による骨折や脳疾患、心疾患、肺炎等により入院や手術、医療搬送などが必要となり、高額となるケースが多発しています。
なお、シニア層(65歳以上)の高額医療費用事故発生率は65歳未満の約8倍となっており、特に注意が必要です。

 7.高額医療費用事故(治療・救援費用保険金支払300万円以上)国別一覧  

国(地域) 内容 プラン 支払保険金
フランス 意識障害により救急車で搬送。脳内出血と診断され6日間入院。家族が駆けつける。医師が付き添い医療搬送。 無制限 628万円
イタリア 腹痛で受診。パリへ移動後、急性虫垂炎と診断され8日間入院・手術。家族が駆けつける。 その他 355万円
スイス トレッキング中に転倒しヘリコプターで搬送。橈骨頭骨折・膝蓋骨骨祈と診断され5日間入院・手術。家族が駆けつける。 その他 659万円
スイス 胸の痛みと吐き気を訴え受診。心筋梗塞と診断され8日間入院・手術。家族が駆けつける。医師・看護師が付き添い医療搬送。 その他 463万円
スイス 嘔吐・吐き気・めまいの症状でクリニックを受診し、医師の判断により救急車で総合病院へ搬送。前庭神経炎と診断され6日間入院。家族が駆けつける。 無制限 378万円
ドイツ ホテルの浴室でバランスを崩し転倒し救急車で搬送。橈骨神経・橈骨動脈断裂と診断され10日間入院・手術。家族が駆けつける。看護師が付き添い医療搬送。 無制限 639万円
スペイン 嘔吐・ふらつきがあり受診。一過性脳虚血発作と診断され19日間入院。家族が駆けつける。医師が付き添い医療搬送。 無制限 545万円
ギリシャ 吐血し受診。上部消化管出血・誤嚥性肺炎と診断され22日間入院。家族が駆けつける。医師・看護師が付き添い医療搬送。 無制限 985万円
アイルランド クルーズ中に体調不良となり船医を受診。下船して救急車で病院へ搬送。肺炎と診断され16日間入院。看護師が付き添い医療搬送。 無制限 634万円
ベルギー レストランの階段で転倒し受診。上腕骨頚部骨折と診断され3日間入院・手術。看護師が付き添い医療搬送。 無制限 389万円
フィンランド 機内で意識消失し救急車で搬送。脳梗塞と診断され13日間入院。家族が駆けつける。医師・看護師が付き添い医療搬送。 その他 1,159万円
エストニア 手足のしびれを訴え受診。脳内出血と診断され、46日間入院・手術。医師・看護師が付き添い医療搬送。 その他 702万円
ヨルダン 遺跡観光中に階段で転倒し救急車で搬送。右足関節骨折と診断され、16日間入院・手術。家族が駆けつける。 無制限 508万円
ハワイ ハイキング後に胸の苦しみを訴え救急車で搬送。心筋梗塞と診断され14日間入院・手術。家族が駆けつける。看護師が付き添い医療搬送。(補償限度額超過) その他 1,500万円
ハワイ 現地到着後、まっすぐ歩くことができなくなり受診。脳梗塞と診断され6日間入院・手術。家族が駆けつける。 無制限 1,174万円
ハワイ 現地へ向かう航空機内で嘔吐。現地到着後に救急車で搬送。脳内出血と診断され12日間入院。家族が駆けつける。看護師が付き添い医療搬送。 無制限 1,058万円
ハワイ 腕に力が入らなくなり救急車で搬送。脳梗塞と診断され、6日間入院。家族が駆けつける。 その他 566万円
ハワイ 発熱・腹痛を訴え受診。急性虫垂炎と診断され4日間入院・手術。家族が駆けつける。 その他 510万円
ハワイ 喉の痛み・頭痛の症状で受診。数日経過しても改善しないため再度受診。急性喉頭蓋炎と診断され6日間入院。家族が駆けつける。 無制限 462万円
ハワイ 自転車で走行中に転倒し受診。大腿骨転子部骨折と診断され、5日間入院・手術。家族が駆けつける。 その他 403万円
ハワイ ホテルのプールで溺れ救急車で搬送。溺水・呼吸不全と診断され5日間入院。家族が駆けつける。 無制限 354万円
ハワイ 自転車で走行中に車両にはねられ救急車で搬送。頭部打撲・肋骨骨折と診断され3日間入院。家族が駆けつける。 無制限 303万円
アメリカ 嘔吐後に倒れ意識不明となり救急車で搬送。くも膜下出血と診断され25日間入院・手術。家族が駆けつける。看護師が付き添いチャーター機で医療搬送。 無制限 4,661万円
アメリカ 頭痛のため受診、脳内出血と診断され18日間入院・手術。家族が駆けつける。医師が付き添い医療搬送。 その他 3,506万円
アメリカ 腹痛・吐き気により受診。急性虫垂炎と診断され2日間入院・手術。 無制限 624万円
アメリカ 足の付け根の痛みとしびれの症状で受診。腰部神経根症と診断される。 その他 571万円
アメリカ 息切れと胸の痛みを訴え救急車で搬送。たこつぼ型心筋症と診断され3日間入院。家族が駆けつける。 その他 442万円
アメリカ 運動中に受傷。前十字靭帯損傷と診断される。 その他 429万円
カナダ 咳と血痰のため受診。肺炎と診断され8日間入院。家族が駆けつける。 無制限 571万円
中国 ホテルの浴室で転倒し救急車で搬送。大腿骨頚部骨折と診断され33日間入院・手術。家族が駆けつける。医師が付き添い医療搬送。 その他 871万円
韓国 ホテルの浴槽で転倒し受診。大腿骨頚部骨折と診断され、19日間入院・手術。家族が駆けつける。看護師が付き添い医療搬送。 その他 470万円
シンガポール 胸の痛みを訴え受診。自然気胸と診断され13日間入院。家族が駆けつける。医師・看護師が付き添い医療搬送。 その他 602万円
シンガポール 息苦しさと胸の痛みにより受診。自然気胸と診断され8日間入院・手術。家族が駆けつける。 その他 429万円
シンガポール 息切れと胸の痛みを感じ受診。自然気胸と診断され延べ9日間入院・手術。 その他 317万円
タイ 発熱し受診。肺炎と診断され12日間入院。家族が駆けつける。医師・看護師が付き添い医療搬送。 その他 637万円
タイ ホテルの階段で転倒し受診。離島からプーケットに移動後、外傷性血胸・肋骨骨折と診断され7日間入院。医師・看護師が付き添い医療搬送。 無制限 396万円
ベトナム 道路を横断中、車両にはねられ救急車で搬送。腰椎圧迫骨折と診断され8日間入院。医師・看護師が付き添い医療搬送。 その他 445万円
オーストラリア ダイビング中に急浮上し意識を失いヘリコプターで搬送。減圧症・肺水腫・たこつぼ型心筋症と診断され14日間入院。家族が駆けつける。 その他 453万円
オーストラリア 立ちくらみ・喉の痛みのためクリニックを受診後、医師の判断で総合病院を受診。上気道炎・低カリウム血症と診断され延べ16日間入院。 無制限 328万円
グアム コーヒーショップで倒れ救急車で搬送。心筋梗塞と診断され19日間入院・手術。家族が駆けつける。医師・看護師が付き添い医療搬送。 無制限 2,100万円
グアム 吐き気とめまいを訴え救急車で搬送。脳梗塞と診断され7日間入院。家族が駆けつける。 その他 614万円

注)2019年度内に治療・救援費用(傷害治療費用・疾病治療費用・救援者費用を含む)で当社が300万円以上支払った事故(一部2018年度発生の事故を含む)

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