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緊急地震速報の「あの音」を徹底研究!なぜ「あの音」は怖く聞こえるのか?

「チャラン~チャラン♪ チャラン~チャラン♪ 緊急地震速報です。強い揺れに注意してください」

チャイム音のサンプルはこちら(音声を流す際はお気をつけください)

https://www.nhk.or.jp/sonae/bousai/

【引用 NHK HPより】

突然、テレビの画面から流れ出す緊急地震速報。

この音を聞いただけで、東日本大震災を思い出す方も多いと思われます。

またメロディーにインパクトがあり、この音を聞く度に不安・恐怖を感じるなど、トラウマになっているとの声も聞こえてきます。

何故、「あの音」は怖く感じるのか?そもそも誰が「あの音」を作曲したのか?

本記事ではその秘密について紹介します。

「あの音」の作曲者は「ゴジラ」と関係がある!?

「あの音」は、NHKが福祉工学の第一人者に、「地震速報のチャイム」の作曲依頼をしたことから生まれたものです(以後、「あの音」は地震速報のチャイムと表記します)。

その人の名は、伊福部達(いふくべとおる)氏。

「伊福部」という珍しい苗字で、「ゴジラの作曲者だ!」と思われた方もいるでしょう。

その推理は半分当たっておりまして、達氏は、ゴジラテーマ曲の作曲者である故・伊福部昭(いふくべあきら)氏の甥にあたります。

2007年に達氏によって地震速報のチャイムが作曲されたのですが、広く世間に浸透したきっかけがあります。

それは、東日本大震災。

東日本大震災が起こった直後、NHK の総合テレビでは国会中継を中断して、地震速報のチャイム音に続いて「緊急地震速報です。・・・」というアナウンスが流れました。

そしてツイッター上では、「あの不気味な音は誰が作ったのか」「ゴジラと関係があるらしい」「そういえばゴジラといえば水爆実験で生まれたはずだ」といった情報が飛び交うなど関心が高まり、世間に広く浸透していくこととなりました。

「あの音」の怖さの理由とは?

「ゴジラテーマ曲に縁のある達氏だからこそ、地震速報のチャイムにもそのメロディーを使用して怖い印象にしているのではないか」

そう考えた方もいるかもしれません。

しかし、達氏は過去の記念講演において以下のように述べており、地震速報のチャイムとゴジラに直接の影響はない模様です。

(略)

緊急性を感じさせ、不安や不快を感じさせない、脳の深部に響く音として、 「ゴジラ音楽」の一部を利用することも検討した。 しかし、そのメロディーは広く知れ渡っており、恐怖心をあおる面もあることから候補から外した。

(略)

【注】2012 年「音の日」記念講演より 「緊急地震速報チャイムの誕生秘話」
https://www.jas-audio.or.jp/jas-cms/wp-content/uploads/2013/03/004-010.pdf

では、あのメロディーを聞くと何故怖い気持ちを抱いてしまうのでしょうか?

「音」の観点からの答えの一つとして、緊急地震速報チャイムには「急激に変わる音程」と「不協和音」が使われており、それが怖く聞こえる要因の一つではないか、と言われております。

「急激に変わる音程」と「不協和音」を曲に使用することで、適度な緊張感を実現していると考えられます。

また、達氏は同じく過去の記念講演において以下のように述べております。

(略)

作ったチャイム音は「緊急性は感じさせるが不安感は与えない」ということで自信を持っていたのであるが、頻繁に流れる地震警報チャイムを聞いているうちに、チャイムから悲劇を連想する人たちも増えてきており、音の持つ情緒あるいは情動に訴える力の大きさに驚かされている。

(略)

【注】2012 年「音の日」記念講演より 「緊急地震速報チャイムの誕生秘話」
https://www.jas-audio.or.jp/jas-cms/wp-content/uploads/2013/03/004-010.pdf

つまり、地震速報のチャイムが頻繁に流れるうちに、地震の悲劇まで連想するようになってしまった、ということが原因の一つではないか、ということです。

音そのものに対する恐怖感もございますが、それ以上に「地震の悲劇」を想像してしまうことに、私達は得も言われぬ不安感を覚えているのではないでしょうか。

「あの音」にも種類がある!?

ここまで「地震速報のチャイム」について説明をして参りましたが、実は「緊急地震速報の音は大きく分けて3つのタイプがあること」をご存じでしょうか。

以下、それぞれの特徴を踏まえて紹介します。

チャイム音

主にテレビ・ラジオで発信されるものです。

テレビを例に出しますと、最大推定震度「5弱」以上の地震発生時に、推定震度「4」以上が想定される地域に向けて速報が発信されます。

ただし、NHKの場合は全国全ての地域で地震速報が発信されます。

チャイム音のサンプルはこちら(音声を流す際はお気をつけください)

https://www.nhk.or.jp/sonae/bousai

【引用 NHK HPより】

ブザー音

携帯、スマートフォンで緊急地震速報が発信される際に流れる音です。

緊急時に、電車内等人が大勢いる場所で鳴り響くあの音です。

こちらはキャリアによって名称が異なり、docomoは「エリアメール」の名称で、その他主要キャリアでは「地震速報メール」を緊急配信する仕組みです。

なお、ブザー音は各社共通の音となっております。

チャイム音のサンプルはこちら(音声を流す際はお気をつけください)

https://www.youtube.com/watch?v=4gZW7HRHJmM

【引用 docomoOfficial YouTubeより】

サイン音

アプリ・システムで緊急地震速報が発信される際に流れる音です。

サイン音のサンプルはこちら(音声を流す際はお気をつけください)

http://www.real-time.jp/?page_id=465

【引用 特定非営利活動法人リアルタイム地震・防災情報利用協議会 HPより】

音の種類は違えども、地震の危険性を伝えてくれる貴重な情報源です。

特にスマホのブザー音については、音がうるさいからといって受信設定をOffにしておかず、常に受信出来る環境にしておきましょう。

まとめ

緊急地震速報は、「揺れる数秒~数十秒前に大地震発生を教えてくれる仕組み」です。

この場合、大地震の震源地と現在地とかなり距離があることが前提条件となります。

従いまして、発生が危惧されている「首都直下型地震」のようなケースですと、ほとんど時間差がなく地震が発生してしまうため、緊急地震速報は役に立たない可能性もあります。

しかし、ほんのわずかでも大地震に備える時間があれば、救える命もあるかと思われます。

人類が巨大な大自然に立ち向かっていくための一つの道具として、今後も緊急地震速報を活用していきましょう。

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