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補償の選び方

火災保険のプロがアドバイス
  • ファイナンシャル
    プランナー

    平野 敦之

  • ファイナンシャル
    プランナー

    竹下 さくら

補償の選び方で保険料は大きく変わる

「iehoいえほ」は必要な補償だけを選べる火災保険です。そのため選ぶ補償の範囲でお支払いいただく保険料が大きく変わります。
※当ページ記載の保険料は2023年12月1日以降を補償開始日とした場合となります。

全ての補償が必要な場合(木造一戸建て)

火災、破裂・爆発 必須
落雷
風災・雹(ひょう)災・雪災
水災
物体の落下・飛来等/騒擾(じょう)
水濡れ
盗難
5年一括 51,474

「火災、破裂・爆発」だけ必要な場合(木造一戸建て)

火災、破裂・爆発 必須
落雷
風災・雹(ひょう)災・雪災
水災
物体の落下・飛来等/騒擾(じょう)
水濡れ
盗難
5年一括 3,680

上記保険料の条件

保険の対象:建物のみ、建物の所在地:東京都、新築、建物保険金額:1,500万円、建物構造級別:H構造、水災補償の場合:水災支払方法変更特約(縮小割合なし)セット、上記以外の補償内容(費用保険金):失火見舞費用保険金(自動セット)/残存物取片づけ費用保険金(自動セット)、免責金額:なし、インターネット割引:10%
*保険の対象には、門・塀・垣、物置・車庫等の付属建物を含みます。(付属建物等損害補償特約を自動セット)

それぞれの補償項目が自分にとって必要なものかどうかを判断し、ムダのない補償内容を組み立てることが重要です
そこで火災保険のプロである
人気ファイナンシャルプランナーお2人に
お客様目線で補償の選び方を
アドバイスしてもらいます
平野 敦之
ひらの あつし
プロフィール
火災保険のプランはその物件の所在地や周辺の住環境、補償の個別ニーズに合わせて設計をします。自然災害の多発等の影響で保険料アップに拍車がかかる中、火災保険は補償の取捨選択が必要な時代になっています。
竹下 さくら
たけした さくら
プロフィール
住まいは、大切な家庭をはぐくむ土台です。もしも損害を受けてしまったら、精神的にも金銭的にも大きなダメージを受けます。修理・建て直しできるように、必要な補償を過不足なくしっかり確保しておきましょう。

補償項目別選び方のポイント

選べる補償項目それぞれの補償の概要と、火災保険のプロがアドバイスする選び方のポイントについて記載しています。

自然災害のリスクに備える補償

自然災害のリスクに備える補償には、「火災、破裂・爆発」「落雷」「風災・雹(ひょう)災・雪災」「水災」があり、「火災、破裂・爆発」を除く3つの補償は自由に選択いただけます。「iehoいえほ」は、火災保険で初めて「落雷」を選べるようにしました。

落雷?

落雷による損害を補償します。

補償される建物の損害例
  • 雷が落ちて屋根に穴が開いた。
  • 雷が落ちた電柱が倒れ家が破損した。
補償される家財の損害例
  • 近くの電柱に落雷があり、電化製品が故障した。
火災保険のプロによる選び方のポイント
  • 落雷の損害は、電線を伝っての過電流を原因に、家電製品等が破損するケースが意外と多いのが特徴です。家財に火災保険をつけるか検討する場合にはこうした点にも注意しておきましょう。落雷も都道府県によって多い地域とそうでない地域があります。落雷による被害の地域性等を考慮しておくといいでしょう。(平野)
  • マンションでは、避雷針等建物に落雷対策が施されていることで直撃雷を回避できますが、一戸建て住宅と同様に、誘導雷(近くに落ちた雷等で生じる異常電圧)によって家電が壊れるケースは少なくありません。そのため、家電をたくさん持っていて、落雷の頻度が高い実感がある場合は特に、付けておきたい補償の1つです。(竹下)

風災・雹(ひょう)災・雪災?

台風、旋風、竜巻、暴風等の風災、雹(ひょう)災または豪雪、雪崩(なだれ)等の雪災による損害を補償します。

補償される建物の損害例
  • 台風の強風で雨どいが破損した。
  • 竜巻で飛んできた物で壁に穴が開いた。
  • 雹(ひょう)で窓ガラスが割れた。
  • 破損箇所がマンション等の共用部分の場合は保険の対象外です。
補償される家財の損害例
  • 台風で破損した屋根から雨水が漏れ、室内の電化製品が故障した。
火災保険のプロによる選び方のポイント
  • 自然災害が近年増えていますが、「風災・雹(ひょう)災・雪災」が自然災害による損害をカバーする補償の1つです。この風・雹(ひょう)・雪の補償はどの損害保険会社でもセットですので、どれか1つを外すということはできません。マンションだと一戸建てよりもこうした災害に強いので、その点も考慮して検討するといいでしょう。(平野)
  • 自然災害に対する建物の耐性が低めの木造一戸建ての場合は、屋根や窓ガラスの破損により家財にまで損害が及ぶ可能性が高いため、しっかりと備えておきたい補償の1つです。最近は竜巻による損害も目立ちます。マンションのように自然災害に対する耐性が高い建物であれば、必要性は低めではありますが、台風で飛んできた物で窓ガラスが割れる事例も報道されています。物件の構造の丈夫さや自然災害が多い地域かどうか等も鑑みて、必要性を判断すると良いでしょう。(竹下)

水災?

台風、暴風雨、豪雨等による洪水・融雪洪水・高潮・土砂崩れ・落石等の水災(床上浸水等)の損害を補償します。

補償される建物の損害例
  • 豪雨によって床上浸水となり、壁や床が損害を受けた。
  • 台風時の河川決壊により、建物が流された。
  • 台風が連続したため、裏山が土砂崩れを起こして自宅の壁が被害を受けた。
補償される家財の損害例
  • 豪雨によって床上浸水となり、水を被った電化製品が故障した。
  • 台風や豪雨等によって洪水となり、家財が流された。
火災保険のプロによる選び方のポイント
  • 水災は火災保険の補償の中でも必要・不要が比較的明確に決められるのが特徴です。集中豪雨や台風等による床上浸水や土砂崩れによる損害等も補償されます。マンションの高層階や高台に建物があるようなケースだと補償を除外することも検討してみてください。(平野)
  • 台風や暴風雨等による河川の氾濫だけでなく、洪水や高潮、土砂崩れも「水災」の補償に含まれます。最近は、雨で川からの水があふれる「外水氾濫」だけでなく、街に降った雨が排水しきれず側溝やマンホールからあふれる「内水氾濫」の被害も増えています。一戸建てだけでなくマンションの1階に住んでいる人にも、必要性の高い補償と言えます。なお、床上浸水した場合が補償対象になるため、ハザードマップでリスクを確認した上で、必要性を判断するのがおすすめです。(竹下)

国土交通省の「ハザードマップ」で、洪水や土砂災害等の災害リスク情報を確認できます。

日常生活のリスクに備える補償

日常生活のリスクに備える補償には、「物体の落下・飛来等/騒擾(じょう)」「水濡れ」「盗難/通貨等・預貯金証書の盗難」があります。

物体の落下・飛来等/騒擾(じょう)?

建物外部からの物体の落下・飛来・衝突、自動車の飛び込みや、騒擾(じょう)(集団で騒ぎを起こし、一定の規模以上で平穏が害されること)に伴う破壊行為等による損害を補償します。

補償される建物の損害例
物体の落下・飛来等
  • 石が投げ込まれて窓ガラスが割れた。
  • 車が飛び込んできて、建物が倒壊した。
騒擾(じょう)
  • 騒擾状態となったデモ隊の行為によって、自宅の壁が壊された。
補償される家財の損害例
物体の落下・飛来等
  • 車が猛スピードで建物に衝突し、壁を破って建物内の家具が破損した。
騒擾(じょう)
  • 騒擾状態となったデモ隊の行為によって、建物内の家具が破損した。
火災保険のプロによる選び方のポイント
  • 「物体の落下・飛来等」では、外からイタズラで投石されて窓が割れた、車が誤って飛び込んできた等のことが考えられます。また「騒擾(じょう)」は多くの人が集団行動することで、デモのようなものをイメージしておけばいいでしょう。いずれも建物の構造や所在地等で必要性が変わってくる補償です。損害例をチェックして要否を判断するといいでしょう。(平野)
  • 特に、比較的大きな道路沿いの住まいでは、車の飛び込みやデモ等の騒擾(じょう)による破壊行為を受ける可能性が高めですので、忘れずに付けておきたい補償の1つです。(竹下)

水濡れ?

給排水設備の事故(水道管や排水管等の破裂、亀裂、折損等)や他人の戸室で生じた事故に伴う漏水等による水濡れ損害を補償します。

補償される建物の損害例
  • マンションの上の階の住人が蛇口を閉め忘れて水濡れを起こし、自室の天井が汚れた。
  • トイレの排水管が詰まって破裂して漏水し、床や壁が浮いてしまった。
補償される家財の損害例
  • 給排水設備の事故で水漏れが発生し、家電製品が壊れてしまった。
火災保険のプロによる選び方のポイント
  • 給排水管等の不備が原因で起こる水漏れ等が対象になる補償で、マンションや一戸建てを問わずある程度築年数が経過してくると発生しやすい損害です。上階に人が居住するマンションはもちろん一戸建てでも必要性の高い補償です。また勘違いしやすいところですが、いわゆる雨漏りや雨の吹き込みによる損害は補償されませんので間違えないようにしてください。(平野)
  • 「水濡れ」は建物内外の給排水設備に生じた事故による水濡れ損害を補償しますが、ここでいう“給排水設備”は、水道管・排水管のほか、給湯ボイラー、水洗トイレ、スプリンクラー、浄化槽、ガス湯沸かし器、雨どい等、思ったより幅広いです。このほか、他の戸室に生じた事故に伴う漏水・放水・溢水による水濡れ損害もカバーされるため、マンションなら必須の補償と言えます。(竹下)

盗難/通貨等・預貯金証書の盗難(家財の補償をセットされた場合のみ)?

盗難による保険の対象の盗取や損傷・汚損の損害を補償します。

補償される建物の損害例
盗難
  • 空き巣が入り、ドアのカギや窓ガラスが壊された。
  • 破損箇所がマンション等の共用部分の場合は、保険の対象外です。
補償される家財の損害例
盗難
  • 空き巣に指輪と腕時計を盗まれた。
通貨等・預貯金証書の盗難
  • 空き巣に室内の現金と通帳を盗まれた。
  • 通帳の盗難については、盗難を知った後直ちに預貯金先あてに届け出て、その預貯金口座から現金が引き出された場合に限ります。
火災保険のプロによる選び方のポイント
  • 盗難の際に壊された窓ガラスや盗まれた家財等が補償されます。セキュリティシステムを導入しているかどうか、マンション等で外部から侵入しにくい構造かどうか等の観点から検討するとよいでしょう。また現金も一定額までは補償されますが、タンス預金等多額の現金を自宅に置いているケースでは全額補償されるわけではありませんので予防観点も重要です。(平野)
  • 空き巣による被害は一戸建て・マンションを問わず起こっているため、不安な人は「盗難」の補償を付けておくと安心です。盗まれた物の損害のほか、空き巣侵入時に壊されたドアの鍵や窓ガラスの修理費用のほか、土足で踏み込まれて汚れた床のクリーニング費用等も「盗難」で補償されます。なお、1個または1組ごとに30万円を超える貴金属・書画骨董等は、保険会社によっては申込時に明記しないと補償されないところが少なくありませんが、この火災保険では明記しなくても一定額まで補償されます。(竹下)

事故に伴う費用の補償

火災保険には、火災等の事故による損害を補償する補償項目のほかに、事故に伴って発生する各種費用を補償する補償項目があります。 この補償項目によってお支払いする保険金を「費用保険金」といいます。
「費用保険金」には、以下の4つがありますが、「臨時費用保険金」と「地震火災費用保険金」はお客様のご要望に応じてご選択いただけます。

自動セット
  • 失火見舞費用保険金
    ?
  • 残存物取片づけ費用保険金
    ?
選べる補償
  • 臨時費用保険金
    ?
  • 地震火災費用保険金
    ?

臨時費用保険金?

損害保険金をお支払いする場合に、仮住まい費用や引越費用等、臨時に必要となる費用に充てていただく目的で保険金をお支払いする補償です。

火災保険のプロによる選び方のポイント
  • 火災保険の補償で見落としがちなのが費用保険金です。建物や家財に損害があった場合、修理等にかかる損害額が損害保険金として支払われますが、それに上乗せして支払われるのが臨時費用保険金です。例えば、火災で家が消失した場合の仮住まい費用は修理代とはまた別にかかります。このように建物の直接の損害による修理や再築と別に間接的な費用がかかる場合、こうした補償から不足する分をカバーする必要があるのです。(平野)
  • 当面の生活に必要な費用をまかなうためのお金として、損害保険金に上乗せで支払われるしくみのため、特に満足度の高い費用保険金です。
    建て替え中の家財の保管費用やホテル宿泊費、仮住まいの費用等様々な用途で利用できるので使い勝手がよく、付けておきたい費用保険金の1つです。(竹下)

地震火災費用保険金?

地震もしくは噴火、またはこれらによる津波を原因とする火災によって保険の対象が損害を受け、その損害の状況が所定の基準(「解説」を参照)を上回った場合に保険金をお支払いする補償です。

補償される損害例
  • 地震を原因とする火災によって自宅が半焼した。
  • 地震による津波を原因とする火災によって自宅が半焼した。
  • 地震を原因とする火災によって家財が全焼した。(家財を保険の対象とする場合)
火災保険のプロによる選び方のポイント
  • 意外と知られていませんが地震保険とは別の補償で、地震による火災があった場合に一定の費用を支払います。物件が住宅密集地にある場合等は、地震によって他の住居で発生した火災が燃え移るリスクが高いため、特に付けておきたい補償です。耐震や免震設計の住宅でも、ひとたび火災が発生すると関係ありませんので、防火設備や近隣の住宅の有無や距離等も考えて要否を検討しましょう。(平野)
  • 地震による“火災”は、地震保険でカバーするのが基本です。とはいえ、地震保険で契約できる保険金額は最大でも火災保険の50%までなので、それを補完するために、この「地震火災費用保険金」を付けるのも一策です。(竹下)

オプション補償

オプションとして「類焼損害補償特約」「個人賠償責任補償特約(示談代行あり)」「破損・汚損損害等補償特約」をご選択いただけます。

類焼損害補償特約?

保険の対象(建物または家財)から火災、破裂・爆発が発生し、近隣の住宅・家財が損害を受けたとき、その住宅・家財の所有者に保険金をお支払いします。

補償される損害例
  • 自宅の火災で隣家が燃えたが、隣家が火災保険に入っていなかった。
  • 自宅の火災での消防活動で、隣家が水浸しになった。
  • 自宅マンションの台所から出火し、消火活動で下の階の部屋を水浸しにした。
火災保険のプロによる選び方のポイント
  • 自分の住まいからの出火による類焼や消防活動により近隣の住宅が水浸しになった場合、失火の責任による法律(失火責任法)により、軽過失が原因のものについては損害賠償義務が生じません。「類焼損害補償特約」は、このような事情に配慮した補償です。類焼先が火災保険に入っていなかったり、入っていてもその火災保険だけでは損害をカバーしきれなかったりしたときに、保険金が支払われます。特に住宅が密集している地域などご近所との距離が違い環境にある人には検討の余地のある補償といえるでしょう。(平野)
  • たとえば、自宅から発生した火災の消火活動のために、隣家が水浸しになったり消防隊員の土足で汚れてしまうことはあり得ますが、この特約を付けていればその際の修繕費等を保険金でカバーできます。また、自宅から出した火が燃え移って隣家に損害を与えてしまっても、失火責任法によって損害賠償責任が発生しないことはありがちですが、お互いにいたたまれない気持ちになることは避けられません。隣家が入っている火災保険からの保険金だけでは再建資金が不足する際に、この特約に入っていれば不足分を保険金として隣家にお支払いできますので、ご近所との円満な暮らしに安心をプラスできます。(竹下)

個人賠償責任補償特約(示談代行あり)?

日本国内で発生した住宅の所有・使用・管理に起因する事故や日常生活における事故により、被保険者が他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりして法律上の損害賠償責任を負った場合に保険金をお支払いします。なお、本特約には示談交渉サービスが付いています。

補償される損害例

以下のような事故が発生し損害賠償責任を負った。

  • 水道の蛇口の閉め忘れにより水が溢れ、マンションの下の部屋の天井から水が漏れ出て被害を与えてしまった。
  • ベランダから誤って落としてしまった物が通行人にあたり、ケガをさせてしまった。
  • 自転車で走行中に誤って歩行者にぶつかりケガをさせてしまった。
  • お店の商品を誤って落とし壊してしまった。
火災保険のプロによる選び方のポイント
  • 住宅に関わらず、日常生活全般の損害賠償事故が対象になります。自転車事故や犬が通行人に噛みついた等、本人だけでなく配偶者や子供、同居の親族まで幅広く補償されます。自動車保険や傷害保険にも付帯できるため重複契約にならないよう注意してください。マンション等では漏水事故が発生しがちなので、漏水による階下の居住者への損害賠償にも関係する補償です。(平野)
  • 最近は自転車事故等、様々なシーンで訴訟等に巻き込まれる機会が増えてきているため、前向きに入っておきたい特約の1つです。損害賠償額のほか、訴訟費用、弁護士費用等についても補償されます。なお、損害賠償責任の確定には相手との交渉が欠かせませんが、この特約には、自分に代わって保険会社担当者が相手と交渉する「示談交渉サービス」が無料で付いています。希望に応じて利用できる安心感があります。(竹下)

破損・汚損損害等補償特約?

不測かつ突発的な事故によって保険の対象(建物または家財)が損害を受けた場合に、保険金をお支払いします。ただし、家財の損害については、保険の対象である建物内での不測かつ突発的な事故による損害に限ります。

補償される建物の損害例
  • 掃除中に椅子が倒れて、壁が破損してしまった。
  • ドアにものをぶつけてドアを壊してしまった。
補償される家財の損害例
  • 室内でテレビを移動中、誤って落とし壊してしまった。
  • 模様替え中に家具を倒して壊してしまった。

地震保険

地震・噴火またはこれらによる津波(以下「地震等」)を原因とする火災、破裂・爆発による損害は、火災保険の補償項目「火災、破裂・爆発」では補償されません。地震等を原因とする損害については、「地震保険」で補償されます。

補償される損害例
  • 地震により火災が発生し家が焼失した
  • 地震により家が倒壊した
  • 地震による津波により家が流された

地震保険のおすすめ

  • 地震による火災の場合は、地震保険に加入していなければ補償されません。住宅ローンの残債や、被災したときに毎月の収入が止まる可能性、財産の多寡等で加入を検討したい補償です。保険料もそれなりにしますから、予算と相談して無理のない範囲で加入を検討してみましょう。火災保険金額の30~50%の範囲で契約できます。上限の50%で契約できればベストですが、予算が厳しければ30%で検討する等柔軟に対応するといいでしょう。(平野)
  • まさかの被災時に無償でもらえるお金は、基本的に、被災者生活再建支援法による公的な支援金(上限300万円)と義援金だけです。地震・噴火・津波で住まいが損害を受けた際に、貯蓄だけでは生活再建が難しそうであれば、地震保険を活用するのが合理的です。特に、住宅ローンを組んでいる場合は、頭金を出したり繰上げ返済をすることで貯蓄が少なめになりがちなので、地震保険の前向きな検討をおすすめします。(竹下)
  • 大きな地震が発生すると、熊本地震のように建物が“倒壊”したり、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)の長田地区のように発生した“火災”で建物が燃えてしまうリスクがあります。地震による“倒壊”も“火災”も、火災保険では保険の対象外となっていますので、地震保険でしっかり備えておくと安心です。(竹下)
  • なお、地震保険に入っていると、年間5万円まで「地震保険料控除」を受けられます。例えば、所得税率20%の人が5万円の地震保険料を支払っているケースでは、所得税の負担を1万円(=20%×5万円)軽くする効果があります。(竹下)

火災保険のプロがおすすめするケース別モデルプラン

マンション・一戸建てそれぞれのケース別に、モデルプランとファイナンシャルプランナーからのアドバイスを記載していますので、補償選びのご参考にしてください。なお、地震保険については原則付帯されることをおすすめしております。
※当ページ記載の保険料は2023年12月1日以降を補償開始日とした場合となります。

ケース1
新築マンションの高層階を購入したAさん

モデルプラン

保険の対象(火災保険)
建物 家財

基本補償(損害保険金)

火災、破裂・爆発 必須
落雷
風災・雹(ひょう)災・雪災
水災
物体の落下・飛来等/騒擾(じょう)
水濡れ
盗難

基本補償(費用保険金)

失火見舞費用保険金 自動セット
残存物取片づけ費用保険金 自動セット
臨時費用保険金
地震火災費用保険金
損害防止費用

オプション

類焼損害補償特約
個人賠償責任補償特約(示談代行あり)

全ての補償項目を選んだ場合

5年一括 24,090

上記のように選んだ場合

5年一括 13,694
上記保険料の条件

建物の所在地:東京、新築、建物保険金額:1,500万円、建物構造級別:M構造、 臨時費用保険金支払額:損害保険金の10%(100万円限度)、個人賠償責任補償特約支払限度額:1億円、免責金額:なし、インターネット割引:10%

地震保険もセットでご加入いただけます

ファイナンシャルプランナーからのアドバイス

マンション高層階なら、補償を限定した設計もあり
  • マンション高層階の場合、一戸建てと違いある程度自然災害等に強いこともあり、補償を限定する設計もよいと考えます。「落雷」についてはマンションの落雷対策がどのようになっているかも確認してください。「風災・雹(ひょう)災・雪災」の中では、マンションなら風災(台風や竜巻)を被る可能性が一 番高いでしょう。風の強い日等は窓の開閉に気をつける等の対策も必要です。「水災」や「物体の落下等」は除外しても問題ないと考えます。もしセキュリティがしっかりしているなら、「盗難」も除外して予防に力を入れる対策でもいいでしょう。なお、建物等が罹災した場合は、修復以外にも想定外のコスト*1が発生するため、臨時費用保険金はセットしておきましょう。
マンション特有の賠償リスク等に備える
  • マンションという特性上、漏水等により階下の部屋に被害を与えてしまったり、強風でベランダから物干し竿を落とし通行人にケガをさせてしまったなどの第三者への賠償リスクに備える「個人賠償責任補償特約」は必要です。
地震の補償を厚くするため、家財も保険の対象にするという考え方も
  • 建物と家財は分けて考えることもポイントです。今回は家財の補償は外しましたが、家財を対象にすれば、家財にも地震保険の補償を付けることができます。*2。期間の経過に伴って家財(およびその地震)の補償を外すのも方法です*3
  • *1.
    ホテル宿泊費、仮住まい費用、引越費用等、建物等の修復費用以外にかかる臨時のコストを指しています。
  • *2.
    地震保険は火災保険とセットでなければ付帯できません。また、地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の30~50%という制限があります。
  • *3.
    「iehoいえほ」では、保険の対象(建物・家財)の追加・削除をインターネットからお手続きいただけます。

ケース2
新築マンションの中層階を購入したBさん

モデルプラン

保険の対象(火災保険)
建物 家財

基本補償(損害保険金)

火災、破裂・爆発
落雷
風災・雹(ひょう)災・雪災
水災
物体の落下・飛来等/騒擾(じょう)
水濡れ
盗難

基本補償(費用保険金)

失火見舞費用保険金 自動セット
残存物取片づけ費用保険金 自動セット
臨時費用保険金
地震火災費用保険金
損害防止費用

オプション

類焼損害補償特約
個人賠償責任補償特約(示談代行あり)

全ての補償項目を選んだ場合

5年一括 24,182

上記のように選んだ場合

5年一括 17,512
上記保険料の条件

建物の所在地:神奈川県、新築、建物保険金額:1,500万円、建物構造級別:M構造、 臨時費用保険金支払額:損害保険金の10%(100万円限度)、個人賠償責任補償特約支払限度額:1億円、免責金額:なし、インターネット割引:10%

地震保険もセットでご加入いただけます

ファイナンシャルプランナーからのアドバイス

マンションでも台風や竜巻等による強風被害への備えは要検討
  • マンションは一般的に風災・雹(ひょう)災・雪災には強いのが特徴ですが、台風や竜巻等による被害を受ける可能性は比較的高く、強風で窓が割れると部屋の中がめちゃめちゃになります。このプランでは「風災・雹(ひょう)災・雪災」を付帯していますが、最終的には保険料とのバランスを見て、セットするかどうかの判断をすると良いでしょう。
漏水事故は、自室で起きる場合と他室で起きる場合の両面で備える
  • 給排水設備の破損や蛇口の閉め忘れ等により、階下に漏水事故を起こしてしまった場合、こちらに責任があれば被害者に損害賠償しなければならないケースがあります。それを補償するのが「個人賠償責任補償特約」です。「個人賠償責任補償特約」は、自転車事故等マンション外での事故も幅広く補償します。漏水事故の発生しやすいマンションでは、自室に対する水濡れ損害を補償する「水濡れ」とともに必須の補償です。

ケース3
新築マンションの低層階を購入したCさん

モデルプラン

保険の対象(火災保険)
建物 家財

基本補償(損害保険金)

火災、破裂・爆発
落雷
風災・雹(ひょう)災・雪災
水災
物体の落下・飛来等/騒擾(じょう)
水濡れ
盗難

基本補償(費用保険金)

失火見舞費用保険金 自動セット
残存物取片づけ費用保険金 自動セット
臨時費用保険金
地震火災費用保険金
損害防止費用

オプション

類焼損害補償特約
個人賠償責任補償特約(示談代行あり)

全ての補償項目を選んだ場合

5年一括 42,352

上記のように選んだ場合

5年一括 27,494
上記保険料の条件

建物の所在地:大阪府、新築、建物保険金額:1,500万円、家財保険金額:800万円、建物構造級別:M構造、 臨時費用保険金支払額:損害保険金の10%(100万円限度)、個人賠償責任補償特約支払限度額:1億円、免責金額:なし、インターネット割引:10%

地震保険もセットでご加入いただけます

ファイナンシャルプランナーからのアドバイス

「水災」や「物体の落下・飛来等」は立地や周辺環境等を考慮して検討
  • マンションでも低層階に限らず周辺の立地がどのようになっているかをよく調べてください。周辺の崖や川等の有無、少し高いところにあるか、マンションの何階にあるか等です。今回のプランでは「水災」は除外しましたが、行政のハザードマップを見たり、長く住んでいる近所の人の話も聞いて参考にするといいでしょう。低層階だから必須というものでもありません。
  • 「物体の落下・飛来等」も車が飛び込んでくるような道路か、いたずら等で投石される高さか等も考慮してください。
「風災・雹(ひょう)災・雪災」で、想像を超える損害が起き得る竜巻等の自然災害に備える
  • 「風災・雹(ひょう)災・雪災」については、マンションの損害で多いのは竜巻等による風災か雹(ひょう)災ではないかと思います。想像を超える損害が起きるのが自然災害なので今回のプランでは付帯しました。
  • 「個人賠償責任補償特約」は、マンション等では漏水の可能性があるため「水濡れ」補償とともに必要です。
家財を対象とするなら「落雷」と「盗難」は要検討
  • 家財については、「落雷」の際の過電流による家電の破損、「火災」の際の放水による被害等を受けやすいのも特徴です。「盗難」を付帯しましたが、低層階でも外部からの侵入可能なフロアか、またセキュリティの状況等もみて決めるといいでしょう。
  • 意外と知られていませんが、敷地内にある自転車も家財の対象に入ります。電動自転車等があるならこれも対象になります。

ケース4
軽量鉄骨造の一戸建て住宅を購入したDさん

モデルプラン

保険の対象(火災保険)
建物 家財

基本補償(損害保険金)

火災、破裂・爆発
落雷
風災・雹(ひょう)災・雪災
水災
物体の落下・飛来等/騒擾(じょう)
水濡れ
盗難

基本補償(費用保険金)

失火見舞費用保険金 自動セット
残存物取片づけ費用保険金 自動セット
臨時費用保険金
地震火災費用保険金
損害防止費用

オプション

類焼損害補償特約
個人賠償責任補償特約(示談代行あり)

全ての補償項目を選んだ場合

5年一括 85,500

上記のように選んだ場合

5年一括 17,742
上記保険料の条件

建物の所在地:埼玉県、新築、建物保険金額:2,500万円、家財保険金額:800万円、建物構造級別:T構造、 臨時費用保険金支払額:損害保険金の10%(100万円限度)、個人賠償責任補償特約支払限度額:1億円、免責金額:なし、インターネット割引:10%

地震保険もセットでご加入いただけます

ファイナンシャルプランナーからのアドバイス

頑強な軽量鉄骨住宅のような建物なら、補償を絞れる余地は比較的大きい
  • 頑強な軽量鉄骨住宅で四方が住宅等に囲まれている場合は、「風災」等のリスクは相対的に軽減されるため、補償を絞ることができそうです。
  • ただし、最近はゲリラ豪雨も多く、台風のリスクはどこでもあり、土砂災害や都市水害等もあることから、「落雷」「風災・雹(ひょう)災・雪災」「水災」といった補償についてはお住まいの構造や立地等をお考えになって要否を判断してください。国土交通省の「ハザードマップ」では、洪水や土砂災害の災害リスクを確認できるため一度ご確認されることをおすすめします。
  • 「水濡れ」もいったん発生すると家財や床材に大きな被害が発生するため、付けておくのがおすすめです。なお、「物体の落下」や「盗難」については、ご家庭の考え方・価値観に合わせて付けるかどうか判断すると良いでしょう。

ケース5
木造の一戸建て注文住宅を建てたEさん

モデルプラン

保険の対象(火災保険)
建物 家財

基本補償(損害保険金)

火災、破裂・爆発
落雷
風災・雹(ひょう)災・雪災
水災
物体の落下・飛来等/騒擾(じょう)
水濡れ
盗難

基本補償(費用保険金)

失火見舞費用保険金 自動セット
残存物取片づけ費用保険金 自動セット
臨時費用保険金
地震火災費用保険金
損害防止費用

オプション

類焼損害補償特約
個人賠償責任補償特約(示談代行あり)

全ての補償項目を選んだ場合

5年一括 171,520

上記のように選んだ場合

5年一括 167,794
上記保険料の条件

建物の所在地:愛知県、新築、建物保険金額:2,500万円、家財保険金額:800万円、建物構造級別:H構造、 臨時費用保険金支払額:損害保険金の10%(100万円限度)、個人賠償責任補償特約支払限度額:1億円、免責金額:なし、インターネット割引:10%

地震保険もセットでご加入いただけます

ファイナンシャルプランナーからのアドバイス

木造一戸建てなら、「風災・雹(ひょう)災・雪災」「水災」は最優先で付けておきたい
  • 最近は都市部でのゲリラ豪雨も多く、台風のリスクや土砂災害、都市水害等もあることから、「風災・雹(ひょう)災・雪災」「水災」等の補償は最優先で付けておきたい補償の1つと言えます。例えば、2000年に起きた東海豪雨では、各地での破堤や河川の越流により都市部にまで被害がおよび、愛知県を中心に6万棟を超える浸水被害が発生しました。このような都市水害に備えるためにも「水災」の補償は特に重要です。また、愛知県のような台風が通過しやすく雪もよく降る地域であれば、「風災・雹(ひょう)災・雪災」の補償も付けておきたいところです。
「水濡れ」はいったん発生すると家財や床材に大きな被害が発生する
  • 「水濡れ」はいったん発生すると家財や床材に大きな被害が発生するため、付けておくのがおすすめです。
  • 「物体の落下」の補償については、相手が確認できれば損害賠償請求も可能なので、優先順位は比較的低めと言えそうです。
  • 比較的高価な家財を家に置いているなら「盗難」の補償はしっかりと付けておきたいところです。鍵穴やガラス戸をこじ開けられるといった被害も想定されますが、それらは建物として補償されます。

ケース6
木造の一戸建て分譲住宅を購入したFさん

モデルプラン

保険の対象(火災保険)
建物 家財

基本補償(損害保険金)

火災、破裂・爆発
落雷
風災・雹(ひょう)災・雪災
水災
物体の落下・飛来等/騒擾(じょう)
水濡れ
盗難

基本補償(費用保険金)

失火見舞費用保険金 自動セット
残存物取片づけ費用保険金 自動セット
臨時費用保険金
地震火災費用保険金
損害防止費用

オプション

類焼損害補償特約
個人賠償責任補償特約(示談代行あり)

全ての補償項目を選んだ場合

5年一括 93,090

上記のように選んだ場合

5年一括 44,330
上記保険料の条件

建物の所在地:千葉県、新築、建物保険金額:2,000万円、建物構造級別:H構造、 臨時費用保険金支払額:損害保険金の10%(100万円限度)、個人賠償責任補償特約支払限度額:1億円、免責金額:なし、インターネット割引:10%

地震保険もセットでご加入いただけます

ファイナンシャルプランナーからのアドバイス

落雷の発生頻度には地域性がある
  • 落雷の発生は、気象庁発表の統計等では日本海側で多く、太平洋側は比較的少ない傾向にあります。例えば仙台は、太平洋側の主要都市の中で最も雷日数が少なくなっています。この火災保険は落雷補償が外せることが特徴なため、落雷の発生が少ない地域の場合は外すことを検討してもよいかもしれません。
  • なお、落雷の発生が多い地域であれば、台風やゲリラ豪雨等の頻度も高い場合が多いため、「風災・雹(ひょう)災・雪災」「水災」の補償も確保しておくと安心です。
「水災」の要否は立地やハザードマップからリスクを確認
  • 高台にある住宅であれば「水災」のリスクは比較的低めですので、今回のプランでは外しました。ただし、高台であっても豪雨による土砂崩れ等のリスクはあるため、国土交通省の「ハザードマップ」等を参考に検討してみてください。
  • 車通りの多い道路沿いでは、ハンドル操作を誤った車が突っ込んできたり、騒擾(じょう)による被害を受ける可能性が高めです。「物体の落下・飛来等/騒擾(じょう)」の補償も視野に入れておきましょう。
  • 「水濡れ」もいったん発生すると家財や床材に大きな被害が発生するため、付けておくのがおすすめです。「盗難」の補償については、必要性を感じる場合は付けても良いでしょう。
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平野敦之 プロフィール

平野FP事務所代表。東京都出身。大学卒業後に証券会社、損害保険会社等で実務を経験した後1998年に独立。それまでの経験を活かしてお金のプロとして活動中。大学や行政機関での講座、企業研修、新聞等大手メディアへの出演も含めて実績多数。お金の情報メディアサイト「Mylife Money Online(http://mylifemoney.jp/)」運営。また情報サイトAll Aboutにて損害保険ガイドを約14年務める。主な著書に「いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)」がある。

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竹下さくら プロフィール

損害保険会社・生命保険会社勤務を経て、1998年にファイナンシャル・プランナーとして独立、現在に至る。個人のコンサルティングを主軸に、講演、執筆活動を行う。
『「保険に入ろうかな」と思ったときにまず読む本』『知らないと損をする! 間違えない保険選びのツボ』(日本経済新聞出版社)、『世界一シンプルな保険選び』(日本文芸社)等著書多数。

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フランチャイズ金額について

損害保険金が支払対象となるために必要な損害の額のことをいいます。 損害の額がフランチャイズ金額未満の場合には、損害保険金が支払われません。 基本補償(損害保険金)の「水災」以外の補償項目(建物)に設定可能です。 なお、「風災・ひょう災・雪災」の建物の補償には、最低10万円のフランチャイズ金額が必ず設定されます。

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免責金額について

免責金額とは、保険金の計算にあたって損害の額から差し引く金額(自己負担額)をいいます。例えば、10万円で設定された場合、支払保険金は以下のようになります。

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築年数について

築年数とは、保険期間の初日時点での築年数をいい、端日数がある場合は切り上げます。 (19年1日の場合、築年数は20年となります。)

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