自然災害から住まいを守る!火災保険の補償を確認しよう

日本では100年前と比較して平均気温が1.3℃上昇しており、この気温上昇と相関するように全国的に自然災害の発生頻度も増加※しています。具体的な自然災害として、台風や大雨、洪水、地震、竜巻、そして雹(ひょう)などが挙げられ、これらによって住宅の損壊や床上浸水といった物的被害だけでなく、ライフラインの断絶や交通機関の麻痺による社会的混乱が引き起こされています。特に台風や集中豪雨による洪水は、近年増加傾向にあり、自治体による対策に加えて各家庭での十分な備えが求められています。防災グッズや食品備蓄、避難経路の確認などにより事前に備えておくことに加えて、生活再建を速やかに進めるため建物や家財の損害を金銭面で軽減する火災保険・地震保険への加入や見直しをしておくことが大切です。
※出典:気象庁「日本の年平均気温偏差の経験変化」、「日降水量の年間日数の経年変化」
目次
自然災害の発生件数と被害額の割合

上表は、日本における自然災害の発生状況に関する件数と被害額のデータです。発生件数では「台風」が57.1%と最も多く、一方の被害額では建物等に大規模な被害を及ぼす「地震」によって80%以上が占められています。
台風による暴風で屋根が破損した場合などの損害は「風災」、洪水や土砂崩れによる損害は「水災」でそれぞれ補償されます。お住まいの立地や建物構造等から台風や洪水などの自然災害に不安がある場合は、これらの補償をご検討することをおすすめします。また、地震や津波、火山の噴火による損害は「地震保険」の補償範囲となっています。地震保険は火災保険とセットで加入する仕組みとなっているため、火災保険の加入と併せてご検討ください。(当社では、ご契約者マイページから火災保険加入後に追加することも可能です)
最も不安に感じている災害は「地震」
当社では、毎年、防災の日にあわせて各地域・年代の方々に不安に思う災害に関するインターネット調査(アンケート)を実施しています。この結果から、9割近い方が「地震」に対する不安を持っており、次に台風・竜巻等による「風災」、3番目に大雨・土砂崩れ等による「水災」となっています。特に、地震に対しては、他の自然災害と比較して非常に強い不安を感じていることが分かりました。
2024年度 不安に思う災害に関するアンケート結果
順位 | 災害名 | 回答率 |
---|---|---|
1位 | 地震 | 88.9% |
2位 | 風災(台風、暴風、竜巻) | 47.1% |
3位 | 水災(豪雨、洪水、高潮、土砂崩れ等) | 38.2% |
4位 | 落雷 | 20.0% |
5位 | 津波 | 13.8% |
6位 | 雪災(豪雪、雪崩)、雹(ひょう)災 | 10.8% |
7位 | 噴火 | 6.1% |
※アンケート結果の詳細は、こちら
地震による損害は地震保険の補償範囲
世界有数の地震大国である日本は、多くの地震や津波により甚大な被害を受けてきました。地震も自然災害ですが、地震・噴火およびこれらによる津波による損害は火災保険の対象外となっており、火災保険と同時に加入できる地震保険の補償範囲となっています。ただ、1995年1月の阪神・淡路大震災、2011年3月の東日本大震災といった大規模災害を経た昨今においても地震保険の付帯率は7割ほど(2024年8月損害保険料率算出機構の発表)にとどまっています。地震・噴火・津波により発生した火災・損壊等がご不安な方は、地震保険単独では契約できないため、火災保険と同時に加入、もしくは、加入中の火災保険に後から追加で申し込みましょう。
地震保険の仕組みを見るマンションでも大雨・集中豪雨には要注意!
第3位の水災に関しては、季節の変わり目に梅雨前線や秋雨前線の停滞による大雨や、前線や低気圧のなどの影響で積乱雲が発生して起きる集中豪雨により、毎年のように河川の氾濫や土砂災害が発生しています。近年では、集中豪雨により排水が追い付かず、道路が冠水する「内水氾濫」が発生するリスクが懸念されており、一戸建てと比較して安心と思われている都市部のマンションにおいても床上浸水したケースが発生しています。マンションでも低層階や立地が低い、河川が近いなどの場合は、水災の付帯も検討してみると良いでしょう。
自然災害をカバーする補償一覧
自然災害からそれらを起因にして発生する損害の事例と対象となる補償項目を一覧表でご紹介します。
自然災害 | 損害の事例 | 補償項目 | 保険の対象 |
---|---|---|---|
![]() 地震 |
地震による液状化によって住宅が傾いた | 地震保険 | 建物 |
地震により発生した火災で家財が燃えた | 地震保険 | 家財 | |
![]() 噴火 |
噴火によって飛んできた噴石で屋根が壊れた | 地震保険 | 建物 |
噴火による噴石で家具が燃えた | 地震保険 | 家財 | |
![]() 津波 |
地震による津波が発生し、家が流された | 地震保険 | 建物 |
![]() 台風 |
台風による暴風によって屋根が破損した | 風災 | 建物 |
台風による強風で飛んできたものが家の外壁を直撃して破損した | 風災 | 建物 | |
台風による暴風で屋根が破損し、吹き込んできた雨で家具や家電製品が壊れた | 風災 | 家財 | |
台風による大雨で河川が氾濫して床上浸水し、基礎部分の汚泥除去と床下の消毒を行った | 水災 | 建物 | |
![]() 竜巻 |
自宅に竜巻が直撃して屋根や窓ガラスが破損した | 風災 | 建物 |
竜巻による強風で軒下に置いていたロードバイクが倒れて破損した | 風災 | 家財 | |
![]() 集中豪雨 |
集中豪雨で道路が冠水して、マンション1階にある住居内が床上浸水した | 水災 | 建物 |
集中豪雨によりトイレの排水溝から下水が逆流して家電製品が故障した | 水災 | 家財 | |
![]() 洪水 |
大雨で河川が氾濫し、床上浸水して基礎部分に溜まった汚泥除去と床下の消毒を行った | 水災 | 建物 |
大雨で河川が氾濫して床上浸水し、家具と家電製品が壊れた | 水災 | 家財 | |
![]() 土砂崩れ |
台風による大雨で土砂崩れが発生し、住宅が押し流された | 水災 | 建物 |
大雨で裏山で土砂崩れが発生し、窓を破って室内に侵入して家具が壊れた | 水災 | 家財 | |
![]() 高潮 |
高潮により防波堤を越えて海水が住宅内に流入し、家電製品が壊れた | 水災 | 家財 |
![]() 落雷 |
落雷した街路樹が倒れて家の外壁が破損した | 落雷 | 建物 |
自宅近隣に落ちた雷からの過電流により家電製品がショートして壊れた | 落雷 | 家財 | |
![]() 雹(ひょう) |
雹(ひょう)によって窓ガラスが割れた | 雹(ひょう)災 | 建物 |
雹(ひょう)でカーポートの屋根に穴が空いてしまった | 雹(ひょう)災 | 建物 | |
![]() 大雪・雪崩 |
大雪で屋根に積もった雪の重みで屋根が破損した | 雪災 | 建物 |
近くの山で雪崩が発生し、窓から雪が入り込み家財が壊れた | 雪災 | 家財 | |
![]() 融雪洪水 |
融雪洪水により床上浸水して床材に損害が発生した | 水災 | 建物 |
まとめ
自然災害に対する不安を挙げるときりがなく、全ての補償を付帯すれば保険料も高くなってしまうため、立地や建物構造に合わせて補償内容と保険料のバランスを見極めることが重要です。ハザードマップや火山防災マップ、津波浸水想定区域図、土砂災害警戒区域図など、お住まいの市区町村が公表している自然災害リスクに関する情報を収集し、どの範囲まで備えが必要かを検討して保険料とのバランスが取れた火災保険プランを組み立てましょう。
なお、マンション・一戸建てそれぞれのケース別に、モデルプランとファイナンシャルプランナーによる補償の選び方をご紹介していますので、火災保険の補償選びのご参考にしてください。